自転車も「スマホながら運転」
違反金が導入される!
春は入学や入社、新学期など、新しい生活が始まる季節です。これから通勤や通学で自転車を使い始める方も多いのではないでしょうか。そんな中、来年4月から「スマホながら運転」などの自転車の違反に青切符(反則金)が科される制度が始まることが正式に決まりました。
iPhone操作しながらの運転や、イヤホンをつけたままの走行は事故リスクが大きくなります。
未来ある新生活の中で、こうした危険な行為によって命が脅かされるようなことがあってはなりませんよね?
このブログでは、なぜこの制度が導入されるのか、反則金の金額や対象、そしてスマホながら運転がどれほど危険なのか、実例を交えながら詳しく解説。
自転車事故の多くは「交通ルール違反」から起きている
警察庁によると、昨年の自転車関連の事故で亡くなった人は全国で327人。その多くが交通ルールを守らなかった自転車側の違反が原因です。
そして、最近特に目立っているのが、「スマホを見ながら」「イヤホンをつけながら」自転車に乗る“ながら運転”です。警察が実際に街頭で声をかけても止まらない人が多く、止められても「スマホでナビを見ていただけ」と言い訳をする人もいます。踏切でスマホを操作し続けるケースもあり、実際に死亡事故も起きています。
これまで自転車の取り締まりは警告中心でしたが、2026年4月からは反則金付きの青切符制度が本格導入されます。
「スマホながら運転」は実際に警察の声かけに気づかないケースも。
来年から反則金制度が始まり、より厳しく取り締まりが行われる。
スマホながら運転は最も重い違反に!反則金は最大1万2000円
違反の内容によって反則金の金額は異なり、信号無視や逆走は6000円、イヤホンを着けての運転は5000円などと設定されていますが、最も重いのが「スマホながら運転」です。これは1万2000円と、他の違反の倍以上の金額です。
実際、去年のスマホながら運転による死亡・重傷事故は過去最多の28件を記録しました。この10年間で件数は3倍以上に増えています。過去には、スマホと飲み物を両手に持って電動自転車を運転していた大学生が、77歳の女性と衝突して死亡させたという痛ましい事故も起きました。
また、動画を撮りながら走行する人や、電話をしながら運転する人も多く見かけられていますが、「ナビを見てただけ」と言っても違反に該当します。
iPhoneやAndroidの地図アプリを使う際でも、運転中に画面を操作したり視線を落とすことは非常に危険で、事故のリスクが一気に高まります。
昨年はこの違反による死亡・重傷事故が過去最多に。
ナビや撮影でも「運転中の操作」は違反対象。
青切符が交付される条件と手続きの流れ
青切符の交付は、「警察の指導に従わない」「他人を危険にさらす」ような運転をしたときに行われます。たとえば、警察官に止まるように言われたのに無視したり、交差点で一時停止しなかったりといった行為が対象です。
実際の取り締まりでは、イヤホンをつけていた男性が注意を受けて立ち止まり、「言われたからやめます」と話す場面もありました。注意に従えば即罰金とはならないこともありますが、無視したり、事故につながる恐れがある行動は反則金対象になります。
さらに、「逆走」「並走(二人以上で横に並んで走る)」といった行為も違反です。意外と多い「歩道の逆走」も、車道を走る自転車にはルールが適用され、6000円の反則金が科されます。
イヤホンやスマホ使用の注意に応じれば警告で済む場合もある。
逆走や並走も違反行為として罰金対象。
なぜ16歳以上?スマホやキックボードとも共通点
青切符の対象が16歳以上なのは、原付免許の取得年齢と一致していることや、電動キックボードも16歳以上であれば法的に免許なしで運転できることからです。※1
また、スマホ所有率が最も高くなる年齢でもあり、「ながら運転」のリスクが高まる時期でもあります。中高生がスマホを操作しながら通学路を走る場面も珍しくありません。自転車は手軽に使える分、スマホの通知やLINEメッセージについ反応してしまう傾向があります。
原付・キックボードと同じ年齢基準を採用。
若年層ほどスマホの使用率が高く、違反リスクも高い。
※1 :2023年7月1日に施行された改正道路交通法により、定められた一定の条件を満たす電動キックボード(「特定小型原動機付自転車」)は、16歳以上であれば運転免許が不要となっている。
自転車はもう「歩行者の仲間」ではない
スマホながら運転による事故の再現映像では、自転車がスピードを落とさずに壁へ激突。もし相手が人だったら、運転者の大きな怪我だけでは済まない衝撃です。スマホ画面に夢中で周囲が見えていない状態は、車での“飲酒運転”に近いレベルの危険性があります。
自転車はこれから、歩行者と同じではなく「車両」として扱われます。歩道を走っていても、信号を守らなければなりませんし、一時停止がある場所では止まる必要があります。※2
読者の皆さんも、普段のスマホ操作のクセを見直してみてください。通知が来たとき、すぐ画面を開いていませんか?
「たった一瞬」でも、その間に命が失われることもあるのです。
スマホ操作中の事故は人にぶつかれば致命傷になる危険あり。
日常の「スマホ画面ちょっと見ただけ」が大事故の原因になる。
※2:今回、自転車は車両の一種である「軽車両」に分類されます。「軽車両」とは、エンジンを持たず、人力や動物の力で動く車両(自転車、馬車など)を指します。
まとめ:スマホながら運転の自転車も罰則金の制度始まる
来年2026年4月から始まる「自転車青切符制度」は、
スマホながら運転を含む113種類の違反に反則金を科す制度です。スマホの通知確認やナビ使用中でも、自転車に乗っている間は「運転中」です。警察が見ていなくても、事故は突然やってきます。
反則金だけでなく、大切な命を守るためにも、スマホの使い方と自転車のルールをもう一度見直してみてください。
安全対策は、歩く時や運転する時は、
『スマホを一旦ポケットにしまう』そんな小さな行動から始まりますよね?
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