近年、いつの間にか「自分のスマホが乗っ取られる」という事件が起きているのをご存じでしょうか。
「SIMハイジャック」と呼ばれるその悪夢は、急にあなたのスマホを使えなくするどころか、SNSやネットバンクなどを勝手に悪用するという、悪質極まりない不正行為なのです。
スマホを使う以上、このような不正行為からは自分の身を守らなくてはなりません。
今回はSIMハイジャックとは何か、そして自衛する方法や万一被害に遭った時の対象法について解説いたしますので、是非とも「自分ごと」と思って読んでいただけると幸いです。
恐ろしい不正行為「SIMハイジャック」
私たちの生活は、スマホありきといっても過言ではありません。
そして今「スマホそのものが乗っ取られる」という、恐ろしい不正行為が問題視されています。
私たちのスマホ生活を恐怖のドン底に突き落とす「SIMハイジャック」とは、一体どのような不正行為なのでしょうか。
急にスマホが乗っ取られる？！
SIMハイジャックとは、事前に入手した個人情報を悪用して被害者になりすまし、勝手にSIMを再発行するという不正行為です。
これは、知らないところでSIMカードが乗っ取られる＝スマホが乗っ取られるのと同じことです。
こうして勝手に入手したSIMを他のスマホに差し替えることで、被害者が使っているSNSなどの2段階認証を突破できるようになってしまいます。
2段階認証といえば、指紋認証や顔認証などのほかにSMSなどで確認番号を行う方法もありますが、そうした生体認証以外の2段階認証が破られるということで問題視されています。
なぜスマホが乗っ取られてしまうの？！
通常、SIMカードの再発行を行うにはキャリアショップで手続きを行う必要がありますが、当然ながら本人確認が行われます。
本人確認の際には免許証などの身分証を提示するのですが、この免許証を偽装されてしまうことで、自分でもない人間が勝手にSIMカードを再発行できてしまうのです。
攻撃者は免許証を偽装するため、ありとあらゆる方法で住所などの個人情報を不正入手します。
免許証には顔写真が載っていますが、キャリアの店員さんもはじめてあったお客さんの顔と名前は一致していません。
ですから、本人のものでなくても騙せてしまうのです。
SIMハイジャックから身を守ろう！
SIMハイジャックの恐ろしい手口、ご理解いただけたでしょうか。
このような悪質極まりない不正行為からは、何としても自分の身を守らなくてはなりません。
SIMハイジャックをされてしまう一番の弱点は、なんといっても個人情報です。
以前から社会問題となっている情報セキュリティ事故でも、個人情報漏洩は絶え間なく起こっていました。
個人情報は扱い方の徹底はもちろんのこと、自分自身がきちんと管理をする義務があります。
次の章からは、個人情報の保護というところに重点を置き、SIMハイジャックから身を守る方法についてお話していきます。
SIMハイジャックから身を守る方法
SIMハイジャックは、誰かのSIMカードを勝手に乗っ取るという非常に許せない行為です。
これ以上、被害を出さないためには私たち一人ひとりが個人情報を守ることを意識する必要があります。
ここで説明するポイントをしっかり理解し、あなたの個人情報を守りましょう！
不審な連絡は一切無視
まず大事なこととして「不審な連絡は一切受けない」ということです。
メールやLINE、SNSへの不審な連絡は、日々絶え間なく送られ続けています。
ですが、身に覚えのない連絡に対して安易に手を付けるのは非常に危険な行為です。
そうした連絡の殆どには何かしらのURLが張られてあったりしますが、その先にはどんな罠が仕掛けられているかわかりません。
よくある手口として「バックドア」と呼ばれるウィルスを仕掛けられることです。
バックドアに感染した場合、攻撃者はそのスマホに簡単に侵入できるようになってしまいます。
すると、あなたの個人情報を盗み放題になってしまいます。
その個人情報を悪用し、SIMカード再発行に必要となる本人確認を突破されてしまうかもしれません。
ちょっとでも怪しいと思った連絡は徹底無視！
疑うことが、自分を守ることの第一歩です。
パスワードは頑丈に
SIMハイジャックをした攻撃者は、次にSNSなどに不正ログインしようとするはずです。
なぜならSIMハイジャックをしたのは、その後に待ち構えている二段階認証を突破するためだからです。
よってログインパスワードなども見直し、そもそも不正ログインされないようにすることも重要となってきます。
強力なパスワードの基準として、次のようなものがあります。
- 英数大文字小文字記号を混ぜて8文字以上
- 意味のない言葉にする
- 複数のSNSで使いまわしをしない
名前や誕生日といった、簡単に推測されるような内容は避けるようにしましょう。
ウィルス対策アプリをインストールする
先ほどもお話ししたように、バックドアのようなウィルスを使って個人情報を盗むという手口にも気を付けなくてはなりません。
そうしたウィルス感染を予防するためにも、スマホにウィルス対策アプリをインストールしておきましょう。
アプリのインストールは純正の提供元のみ使う
個人情報を盗むためのバックドアといったウィルスは、アプリを介して感染するという場合もあります。
特にAndroidスマホやPCなどの場合は公式アプリストア以外からもアプリなどをインストールできてしまうので注意が必要です。
スマホのアプリは原則、iPhoneの場合はApp Store、Androidの場合はGoogle Playのみから行いましょう。
また、不審なリンクからのアプリダウンロードは厳禁です。
Webサイト上からアプリをインストールさせるようなURLのタップは控えましょう。
万一、SIMハイジャックの被害に遭ってしまったら
もしもSIMハイジャックをされてしまった場合、被害を最小限に食い止めるためにも適切に対処をすることが求められます。
もはや他人ごとではない、スマホの不正行為。
最悪の場合にも想定しておきましょう。
緊急連絡をする
万一SIMハイジャックなどのサイバー犯罪に合ってしまった場合、すぐに警察に相談しましょう。
各都道府県警察本部には、サイバー犯罪の相談窓口を設けています。
相談に行く際、不審なメッセージのスクリーンショットや、何時どんな不正行為をされたか、また心当たりのある不審な出来事を時系列にまとめたメモを用意しておきましょう。
そして携帯キャリアにもすぐに連絡しましょう。
SIMカードの再発行が不正に行われているはずですので、それは自分による手続きではないことを伝えてください。
ネットバンクやクレジットカードが既に不正利用されている場合も、すぐに相談窓口に連絡してください。
その際、どれほどの金額がいつ不正に使用されたかも把握しておきましょう。
ウィルス駆除を行う
バックドアなどによって個人情報が盗まれた場合、スマホからウィルス駆除を行う必要があります。
ただし警察などによって証拠を採取する必要がある場合もあるため、そのあとの対応となります。
できれば端末を初期化するのが確実ですが、中のデータがすべて消えてしまうので注意が必要です。
方法がわからない場合などは、専門家などに相談しましょう。
まとめ
では、今回のまとめに入りましょう。
- SIMハイジャックは、勝手に他人のスマホを乗っ取る不正行為
- 個人情報を悪用し、勝手にSIMカード再発行を行う手口
- 対策として、不審な連絡は一切無視！
- アプリは純正から、不審なURLタップは厳禁！
スマホも自動車と同様、便利ですが使い方を誤ると取り返しのつかないことになります。
一人ひとりがきちんと自己管理し、安全に楽しく使いましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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