今や「AI時代」と言われるように、私たちの生活にAIというものが取り組まれようとしています。
とはいえ、まだ実験段階な状況であることから素直に喜べない人も多いのではないでしょうか。
むしろ「よくわからなくて、時代に取り残される」または、「AIに仕事を奪われるかもしれない」といった、不安を感じている人もおられると思います。
今回はAI時代に突入しようとしている今、これから私たちの社会や生活はAIによってどう変わるのかを、予想も含めてお話しいたします。
そもそもAIやIoTとは?
まず、現段階で注目されているAIとは何か。また、AIを応用するために必要となる技術「IoT」について、説明いたします。
ついにAI時代に突入!
数年前からAIの一般的な利活用の話題が持ち出されるようになり、また特別な知識なしにAIを使えるようなサービスも、色々と登場していますね。
なかでも一番注目されているのがChatGPT。
なんと、人間の言葉で記述した質問にAIが答えてくれるという優れもの。
登場したばかりの頃は、かなり衝撃的でしたね。
ChatGPTの登場は、既に私たちの日常を、特にビジネス面に大きく影響を与えました。
当初、ChatGPTは文章はおろかプログラムコードなども記述できるため、多くの仕事を人間から奪うのは?という話も多く聞きました。
しかし実際のところ、AI技術者はAIがある以上は常に必要ですし、AIを利活用するにしても、そのための知識は必要となります。
例えば、仮にChatGPTに「スマートフォン向けのタスクリストアプリを開発したいから、ソースコードを書いてほしい」といっても、完全に自分が理想とするコードは書いてくれません。
ChatGPTが生成するのは、あくまで中核部分でしかないのです。
仮に今後、ChatGPTがさらに進化して完璧なプログラムを記述できるようになったとしても、UI設計やデザインが1ミリもずれる事なく理想のものを作るということはあり得ないでしょう。
その完璧に近づけるため、ChatGPTに修正をさせるのか、直接ソースコードを改変するのかは人間の技量となるのです。
現に、ChatGPTをビジネスに活かすための「AIへの質問の仕方」が問われたり、ChatGPTを組み込んだ、サポートデスクの自動応答システムの開発といった、どうしても人間が介入しなくてはならない開発業務というのは、ChatGPTが登場してしばらく経っても絶えることはありません。
そもそもAIは人間の生活を便利にするための技術です。
それはChatGPTであっても変わりません。
AIの浸透でビジネスの形態が大きく変わることはあっても、ただ人間が仕事を奪われて困るということ考えにくいでしょう。
IoTによる生活のアップデート
また、AIと同じくらい注目されている技術に「IoT」というものがあります。
IoTとは「モノのインターネット」とも呼ばれ、ITデバイスに限らず様々な家電がインターネットに接続し、ITデバイスなどからの制御によって更に便利に使えるといった概念です。
例えばカーナビをIoT化することで、渋滞状況を分析してのルート案内や運転による過労防止、緊急時のリアルタイム通報などを実現できるとされています。
最近は5G回線の登場によって、これまでとは比べ物にならないほど高速・安定した無線通信が可能となりました。
そうした無線技術はもう、既存のITデバイスのみで活用するのは勿体無いくらいです。
インターネットこそ、私たちの生活にとって重要なインフラ。
IoTは、その可能性の幅を大きく変えてくれるでしょう。
AI x IoTデバイスの実証実験がついに開始
最近では、制御にAIを駆使したロボットの開発が進んでおり、製造現場や福祉施設などでの採用が期待されています。
また製造業に関しては、AIやIoTを応用しての効率化を実現させた「スマートファクトリー」が注目されており、あらゆる製品において生産性の向上と人員不足の解消が見込まれるとのことです。
AIやIoTの魅力は、なんといっても人間にとって大変だったことを自動化してくれることです。
そのAIやIoTが浸透すると、私たちの社会や生活はどのように生まれ変わるのでしょうか?
AI x IoT 時代の特徴を予想
では、AIやIoTを社会インフラにすることで、私たちの生活はどのように変わってゆくのでしょうか?
人間は、より「人間らしく」
AIやIoTの応用が当たり前になると、自動化できることは人間が苦労してまですることはなくなると言われています。
これは、ある意味「AIに仕事を奪われる」と言われていることでもあります。
確かに、AIやIoTが当たり前に使われだすと
- 清掃業
- 製造業
- レジ業務
- 運搬
といった、いわゆる「決まったことを、指示通りにする」といったような業務はなくなると言われています。
だからと言って、「AIを使えない人は就職できない」というわけではありません。
むしろ、これらの仕事が「人間が行うからこそ意義があるもの」に生まれ変わるか、「人間だからこそできる仕事」の需要が増すと予想されます。
例えば、レジ業務は既にAIによって一部自動化されていますが、やはり接客は人間がおこなってこその「親近感」というものがありますね。
レストランやカフェなど、そうしたお店での接客業務と兼ねてのレジ業務までは、AIにとって変わるということは考えにくいです。
また、「人間が対応することでの親近感」と似て非なる需要としてエンターテインメントというものがあります。
最近ではYouTubeへの動画投稿による情報発信や、ツイキャスやPocochaなどでのライブ配信も簡単に行えるようになりました。
そこで認知度を得るのは難しいですが、小規模の配信者とファンの集まり(ナノインフルエンサー)もひとつの需要層といえるでしょう。
そうしたナノインフルエンサーが、身近な人を手軽に楽しませる。
それが至る所で実現されることによって、今後の娯楽産業はより柔軟に、より充実したものへと発展できるのです。
娯楽は文化であり、人間らしさそのもの。
AIとIoTの浸透は、その「人間らしさ」主体の社会を実現させる可能性となるのです。
IT教育が大きく変わる
とはいえ、世の中の人みんなが遊んでいるわけではありません。
ちゃんと仕事らしい仕事も、これからのAI時代はあるのです。
それも、IT業は残るのではないでしょうか?
なかには、「プログラムもAIが作るだろう」とか、「コーディングはChatGPTがするから、コーダーの需要はもうなくなる」といった見解もあり、あながち間違いではないのです。
だからと言って、IT業そのものがなくなるわけではありません。
求められるスキルが大きく変わるだけで、むしろ「AIエンジニア」がこれから多く必要とされるのです。
いくら自分で考えて判断できるAIでも、もとが機会である以上は誰かが「機械学習」を行う必要があります。
また、新しいシステムの開発やアップデート、既存システムのメンテナンスをするインフラエンジニアも常に必要とされますし、エンジニアを育てるトレーナー、また開発プロジェクトを統括する、IT現場に強いプロジェクトマネージャも常に必要とされる存在ですね。
そしてIT業といえば、更に大きな課題も待っています。
ホワイトAI VS ブラックAI?!
「ITあるところにセキュリティあり」といっても過言ではないほど、セキュリティの課題は常に向き合っていかなくてはなりません。
ただしAIとセキュリティの関係は、これまでとは違った驚異が待っています。
それは、「悪意のあるハッカーもAIを悪用する」ということです。
機械学習の一つであるディープラーニングは、多くのサンプルとなるデータを与えることによって特徴を掴み、いろんなものを識別できるようにするというものです。
これは本来、画像などから商品を識別させ、ECサイトのユーザビリティを高めるといった応用が好ましいのですが、悪用もできてしまいます。
例えばこれを商品ではなく、指紋パターンに使ってしまうと、どうでしょう?
ディープラーニングでいくつもの指紋パターンを学習させたマルウェアでパターンを総当たりさせれば、パスワードよりも安全と言われた指紋認証を簡単に突破されてしまうのです。
これは指紋認証はもちろん、顔認証や虹彩認証も同様の脆弱性があると言えるでしょう。
もちろん、サイバー犯罪防止に努める善意のセキュリティ技術者、通称「ホワイトハッカー」たちこそ、セキュリティ対策にAIを駆使することでしょう。
よって、これまで同様にセキュリティ技術者と悪意のあるハッカーとのいたちごっこはつづくのですが、それをAIをもってやり取りされるとなると、被害もそれ相応ではないかと思われます。
おわりに
どうしてもセキュリティの課題などは残りますが、AIやIoTはこれまでとは違った観点で私たちの生活を便利に・魅力的なものにできる技術です。
PCやインターネット、スマートフォンの普及・浸透のときと違うのは、AIやIoTの応用で目指すところは、私たちが「より人間らしく、より自分らしくいられる」ことではないでしょうか?
これまでのITは、確かに私たちの生活を見違えるほど素晴らしいものに変えてくれました。
ですが、どうでしょう。
それらの恩恵を、皆が満足に受け取れているでしょうか?
むしろ、技術が高度すぎるが故に「使い方がわからない」や「誤った使い方で不利益を被った」のように、不便を感じる人も多いように思えます。
AIの特徴は、「相手も人間を理解できる」というところです。
つまり、初めて機械の側から人間を理解してくれる時代が来たのです。
これは私たち人間にとって、大きなチャンスと言えるでしょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
他にもお役立ち記事はこちら↓
カテゴリー