AirPods Pro2に新機能登場!【補聴器の代替となり得る機能】
AirPodsシリーズは、音楽やコンテンツを楽しむために使用している方が多いと思います。しかし、今回追加される新機能は、ヘルスケアとしての利用がメインとなります。具体的には、聴覚にフォーカスした新機能です。
Appleの第2世代AirPods Proは、補聴器としての機能を備えた最高のイヤフォンとして注目されています。その高度な外部音取り込み機能と、オージオグラムを用いた個々の聴力に合わせたカスタマイズにより、軽度の難聴の助けになる事が期待されており話題です。
とつぜんの大きな音も低減
まず一つ目の「大きな音の低減」機能についてご紹介します。その名の通り、大きな音が突然鳴ったときに、その音量を自動で調整してくれる機能です。なぜこの機能が搭載されるのかというと、実は現在、3人に1人が日常的に大きな音にさらされているというデータがあるからです。
この機能を使うには、AirPods Pro 2を耳に装着し、設定アプリからAirPods Pro 2の項目を選択します。そして、「大きな音の低減」をオンにするだけです。これで、突然大きな音が鳴っても安心です。実際に手を大きく叩いてみると、通常よりも音がかなり低減されているのがわかります。破裂音が柔らかく、小さい音に変換されているんです。
この機能は、AirPods Pro 2のH2チップが毎秒48,000回の計算で雑音を検知し、大きな音を軽減してくれているからこそ可能になっています。毎分ではなく毎秒というのが驚きです。
ヒアリングチェックとヒアリング補助
次に「ヒアリングチェック(聴覚検査機能)」と「ヒアリング補助(聴覚補助)」機能について
これらは、自分の耳が苦手とする音、聞こえづらい音を補完してくれる機能です。
まず、AirPods Pro 2を耳に装着した状態で、設定アプリからAirPods Pro 2の項目を選択し、「Appleのヒアリングチェックを受ける」をタッチします。開始ボタンを押すと、いくつかの質問が表示されます。18歳以上であること、アレルギーの有無、過去24時間以内に大きな音のする場所にいたかどうかをチェックします。
その後、ノイズキャンセリングがオンになります。チェック中はお休みモードがオンになり、邪魔が入らないようになっています。小さな音が何度か流れるので、音が聞こえたら画面をタッチします。大体5分ほどでチェックが完了し、結果が表示されます。
結果に応じて、軽度から高度までの難聴レベルを計測してくれます。チェックが終わったら、「ヒアリング補助」をオンにします。すると、自分の聞こえづらい音をAirPods Pro 2が補助してくれるのです。高音が聞こえづらい場合は高音が大きくなる、といった具合に、それぞれの耳に合わせた補助をしてくれます。
さらに、音量の増幅の加減や左右のバランスも細かく調整できます。面白いのが「会話を強調」する機能です。これをオンにすると、目の前にいる人の話し声を強調して拾うことができます。よく人と会話する方には特におすすめです。
オージオグラムを用いて使用者に最適化する
自分の聴力に合わせてAirPods Pro 2を最適化するために、オージオグラム(聴力図)を使用したカスタマイズが可能です。これは、特定の周波数帯域の音を強調したり減衰させたりすることで、個々の聴力特性に合わせた音響調整を行うものです。
ステップ1:聴力検査アプリでオージオグラム作成
* アプリのインストール:App Storeから信頼性のある聴力検査アプリ(例:Mimi Hearing Testなど)をダウンロードします。
* テスト環境の準備:静かな場所で、AirPods Pro 2を装着し、ノイズキャンセリングモードを有効にします。
* 聴力テストの実施:アプリの指示に従い、各周波数帯域の音が聞こえたら画面をタッチして反応を記録します。
* 結果の保存:テスト完了後、生成されたオージオグラムを画像またはデータとして保存します。
ステップ2:オージオグラムのデータをiPhoneに読み込む
1. 「設定」を開く:iPhoneのホーム画面から「設定」アイコンをタップします。
2. 「アクセシビリティ」を選択:下にスクロールして「アクセシビリティ」の項目を見つけてタップします。
3. 「オーディオ/ビジュアル」を選択:アクセシビリティのメニュー内から「オーディオ/ビジュアル」をタップします。
4. 「ヘッドホン調整」を選択:メニュー内の「ヘッドホン調整」をタップし、「カスタムオーディオ設定」を開始します。
5. オージオグラムの読み込み:設定プロセス中に「オージオグラムを使用」を選択し、先ほど保存したオージオグラムのデータを読み込みます。
ステップ3:音声の細かな調整
* 増幅レベルの設定:周囲の音の増幅度を自分の聴力に合わせて調整します。
* 左右バランスの調整:左耳と右耳の聴力差がある場合、バランスを最適化します。
* 周波数帯域の強調:高音域や低音域の聞こえ方を調節し、特定の周波数を強調します。
* 環境音の制御:環境雑音の除去レベルを設定し、不要なノイズを軽減します。
* 「会話を強調」機能の活用:この機能をオンにすることで、人の声がより明瞭に聞こえるようになります。
これらの設定により、自分だけのオーディオプロファイルを作成し、より快適な聞こえを実現できます。
実際に使ってみた感想
使ってみた感覚は、外部音取り込みモードに似ており、全ての音が自然に耳に入ってくるのではなく、イコライザーが効いている感覚です。今回の場合、高音が強調されているのがはっきりとわかりました。さらに驚いたのが、音の方向性が正確にわかることです。目を閉じていても、音が右前なのか左後ろなのかがはっきりと感じられます。
壁を一つ挟んだ先のリビングのテレビの音がクリアに聞こえてきました。日常的な音が自然に拡張されている感覚です。また、小さい頃によく耳鼻科で聴覚の検査を受けていましたが、それとほぼ同じ感覚でヒアリングチェックを受けることができました。
また、耳から外した状態で再び装着すると、自動的にヒアリング補助が起動するようになっています。これは、iPhoneと接続したときに聞こえる通知音よりも前にヒアリング補助が起動するので、何よりも優先して機能が働いていることになります。
AirPods Pro2の新たな聞こえ方の体験
AirPods Pro 2は、補聴器の代替としてだけでなく、高品質な音楽再生や優れたノイズキャンセリング機能も備えています。オージオグラムを用いた個別カスタマイズにより、難聴の程度や聴力特性に関係なく、一人ひとりに最適な音響体験を提供します。
最新テクノロジーを活用で、日常生活の”聞こえの不便さ”を軽減して、コミュニケーションの質を向上させることが期待できます。AirPods Pro 2は、補聴器の新たな選択肢として、また高性能イヤフォンとして、多くの人々に有益なデバイスと言えるでしょう。
バッテリー持続時間
気になるバッテリー持続時間は、ヒアリング補助機能は1回の充電で最大6時間使用可能。
バッテリーがなくなっても、5分間の急速充電で約1時間使用可能です。ケースで1時間充電すると本体が完全充電され、再び6時間使用できます。時々ケースに戻して使用するシーンであれば、最大30時間の利用が可能です。
イヤホンの枠を超えた未来をAirPods Pro2で先取り
ヒアリングチェックの結果は、ヘルスケアアプリの「聴覚」項目で細かく確認することができます。これがあれば、耳が聞こえづらい人や、最近なんとなく聞こえづらくなってきたという人も、AirPods Pro 2を使うだけで聞き取りやすくなるというわけです。
世界では約15億人が難聴を抱えているといわれています。今回のヒアリング補助機能は、軽度から中程度の難聴の方に向けた、処方箋が不要な補助機能となっています。世界初のソフトウェアで制御するヒアリング補助機能なのです。
Appleヒアリングスタディによると、難聴があると診断されたのにそのままにしている人が75%もいるそうです。AirPods Pro 2であれば税込み32,800円でこのクオリティのヒアリング補助を受けることができるので、今後この機能が普及していくと素敵な未来になりそうですね。
以上、いかがだったでしょうか。AirPods Pro 2にヘルスケアとしての新しい機能がもうすぐ追加されます。一般公開は10月28日の週に予定されています。特に「大きな音の低減」は予防効果もありますので、ぜひ試してみてください。
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