2023年9月に予約開始となったiPhone 15がついにLightningからUSB Type-Cとなったことが、全スマホユーザーの間で話題となっています。
Appleはこれまで自社独自規格であったLightningをiPhoneやiPadの充電、通信ケーブルとしていましたが、これを2022年モデルのiPadからはUSB Type-Cへと変更、さらに今年発売のiPhone 15でも同様の仕様変更を行い、充電ポートをUSB Type-Cへと統一しました。
このことが、Apple製品ユーザーへどのような影響を与えるのか。
USB Type-Cの特徴を確認しつつ考察してまいります。
USB Type-Cとは?
Apple製品とUSB Type-Cとの関係を考察する前に、まずUSB Type-Cとはどのような規格なのかを復習しましょう。
そもそも「USB」とは何か?
もはやIT専門用語というより、ビジネス用語として当たり前に使われるUSB。
しかし、ケーブルや記憶媒体を指し示す言葉としてなんとなく用いている方も多いのではないでしょうか?
USB(Universal Serial Bus)とは、機器同士の有線通信規格の一種で通信相手を自動的に認識したり、お互いに電源供給ができたりするのが特徴です。
つまり、ケーブルを繋ぐだけでUSBメモリやプリンタ、マウスなどを使用することが可能ですし、スマートフォンなどの充電を行うことも可能です。
と、改めて聞くと「それって当たり前のことなんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、USB規格そのものが設立された当時はそうもいかず、PCに周辺機器を繋ぐのに複雑な設定が必要でしたし、携帯電話は専用の充電器しかないのが当たり前でした。
そうした周辺機器を使う上での煩わしさを改善するため、もっと当たり前に機器の接続や取り扱いができるように規格されたのがUSBです。
USBには種類がある
USB自体が設立されたのは今からおよそ25年位前。
家庭向けOSの元祖ともいえる「Windows 95」の報道が「ブラウン管のTV」に映し出され、やっと「携帯電話」でメールが打てるようになったのが幸せだった時代です。
そんな前からある規格が、なぜ今話題になっているのか。
それは、この度注目されているのは改訂版の規格である「Type-C」が、あまりに大幅アップデートをされたからです。
次章で詳しく説明しますが、ただ差し込むだけで使えるUSBも、これまでの規格にはちょっと不便な部分もありました。
しかし、USB Type-Cはそれらの課題における改善点が多く、さらにできることも増えたのです。
あまりの凄さにAppleも採用!
そのUSB Type-Cのアップデートっぷりといえば、これまで「iPhoneやiPadの充電企画はLightningです!」と、ちょっと意地っ張りなくらいに独自規格を通してきたAppleさんが「やっぱUSB Type-Cかな」と浮気してしまうくらいです。
Appleはモバイル製品だけでなく、MacBookシリーズの充電にもUSB Type-Cを搭載しています。
ここで「PCの充電って、結構な電力がいるんじゃないの?」と思ったあなたは鋭い!
そのからくり「USB PD」なども含め、次章でUSB Type-Cの魅力を解説します。
USB Type-Cは何がすごい?!
ここでは、USB Type-C採用によって受けられる恩恵について説明します。
リバーシブルになった!
USB Type-Cの魅力として、まず「差し込みの向きがどちらでもよい」というのがあります。
いきなり地味な内容ですが、これは意外と大きな進歩です。
少し思い出してください。皆さんも一時前のスマホを使っていて
「あれ・・・充電器が入らん、って、逆やん!」
って、イライラしたことはありませんか?
もっと似たようなのだと、仕事から帰ってきて家のドアを開けようとしたとき
「あれ、鍵が開かな・・・逆やし!」
「いや、これ車の鍵だから!」
って、ちょっと半ギレになったことって、ありませんか?
こういったことを解消することこそ、純粋な需要といえます。
実用品としてはむしろ、こういった根本的な課題こそ優先して解決することが、より利便性の向上につながるのです。
ちなみにですが、リバーシブルな充電ポートはほかにも
- Surfaceの充電器
- Lightning
がありますが、リバーシブルでないものだと
- USB Type-A
- miniUSB
- microUSB
- Dockコネクタ
と、探せば他にもいろいろ出てきそうですね。
通信側も大幅アップ!
iPhoneとの接続を考えると、データ転送の速度も気になるところ。
結論から申し上げますと、USB Type-Cの通信速度はLightningケーブルでの通信速度に比べ、速すぎて比べ物になりません。
その差、なんと最大約20倍です!
Lightningケーブルや、USBの一世代前の規格であるmicroUSBの通信速度は480Mbpsで、これは1秒間にDVD-Rの9分の1程度の容量を送ることができます。
これでも十分速い気がしますが、最近はカメラの性能も向上して4K動画なども撮影できることを考えると、やはり心細いところではあります。
しかし、USB Type-Cの転送速度は最大10Gbpsで、これは3秒以内でブルーレイディスクの容量を転送できるほどの速度です。
やはり、大事なデータはPCに保存といった方や、iPhoneで撮影した動画をPCで編集したい方には、やはりUSB Type-Cへの変更はうれしいところですね!
映像出力も可能に?!
これまでのUSB規格でも、通信や充電は可能でした。
USB Type-Cはそれに加え、なんと映像出力も可能となりました!
既にUSB Type-Cを搭載しているMacBookやiPadは、HDMI変換アダプタなどを用いてミラーリングや画面拡張が可能です。
こうした、USBを用いて画面出力を可能とする規格を「DisplayPort」といいます。
もちろん、iPhone 15はDisplayPort対応ですので、動画や写真を大画面にということも可能になるとのことです。
急速・大容量充電も可能にする魔法「USB PD」
USB Type-Cは特に充電の面で大きく進化を遂げました。
新たに対応したUSB PDという規格を使えば、一般的なスマートフォンであれば1時間で満充電程度まで充電可能です。
最近は古いスマートフォンを再利用したいといった方も多いですが、その場合に懸念されるのがバッテリーの劣化。
せめて充電時間を短くできれば、幾分は使いやすくなりますね。
また、USB PD対応の充電器はPCなどを充電可能な高電圧のもの(45~60W)も発売されています。
これにより、USB PD対応の充電器一つでiPadやMacBookも充電することができ、複数端末を持ち歩く人はケーブルがかさばることがなくなるので大変便利ですね!
iPhoneがUSB Type-C になることのデメリットは?
ここまでの話を聞くと、なんだかUSB Type-Cが神規格にも思えますが、いくつか注意点もあります。
まず、USB Type-Cにもいくつか種類があるということです。
よって、ポートの形状が同じでもDisplayPortに対応していなければ映像出力はできませんし、USB PD非対応であれば球速充電もできません。
なので、iPhone 15への機種編をきっかけに充電器も購入される方は要注意です。
特に、USB PDは充電器だけでなくケーブルも対応している必要があります。
「PD対応ケーブル」と「PC対応充電器」が必要となり、映像出力もしたい場合は更に「DisplayPort対応ケーブル」である必要がありますので注意してください。
まとめ
では、今回のまとめに入りましょう。
- USB Type-Cはデータ転送速度が大幅向上!
- さらに高電圧充電により、急速充電・PCも充電可能
- USB Type-C採用のiPhone 15は映像の外部出力も可能に!
iPhone 15発売まで、後数日!
USB Type-C採用以外にも様々なアップデートがされているので、とても楽しみですね!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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