昔、とっくに買い替えて使わなくなったPC、ご自宅に眠っていませんか?
処分しようにも費用がかかる、だけど使い道がない。
そうしたPCは現役で活躍できなくても、用途によってはあなたのITライフを少し便利にしてくれるかもしれません。
また最近ではフリマアプリなどで、敢えて故障したPCを安価に入手し、修理をして自分なりに活用するということも少しブームになっています。
そこで今回は、現役を引退したPCの再生方法についてお話しします。
少し中級者向けの内容も含みますが、できる限りわかりやすく説明いたしますので、どうぞ最後までご覧いただければ幸いです。
この記事でわかること
- 使わなくなったPCの有効活用方
- 引退したPCの再生に必要なもの
- ジャンクPCの選び方
- ジャンクPCにおすすめなOS
古いPC・ジャンクPCで何ができる?
現役を引退したPCでも、用途を絞って工夫をすれば活躍できる可能性はあります。
むしろ、そこに楽しみもあったりします。
IT学習環境になる
お仕事でPCを使われている方は多いと思いますが、日々の業務で「もっとPCスキルがあれば・・・」と思う方も多いはずです。
また、最近は一般的な事務作業だけではなく、プログラミングなどのITスキルを身につけて働くというケースも、昔ほど特別視されるような雰囲気でもなくなってきました。
しかし、その専門分野を体験できる環境が身近にあるかというと、そうでもありません。
特にビギナーさんが恐れるのは「失敗」です。
最初のうちは、「もしも、なにか下手なことをしてPCを壊したら・・・」という心配は誰だってあります。
そこで、現役を引退したPCを練習場として活用するのです。
使っていないPCであれば、安心して失敗できる、つまり、安心してチャレンジできるわけです。
珍しい体験ができる
ジャンクPCや引退したPCを活用する魅力の一つとして「実用にとらわれない」というものがあります。
元々使っていなかったのですから、そもそも実用を考える必要はありません。
故に、いつまでも「やってみた→うまくいかない」のトライアンドエラーをしていて良いのです。
なので、思い切って知らなかったことや珍しいことをやってみましょう!
例えば最近、WindowsやmacOSとは異なるOSとして、LinuxというOSが静かに注目されています。
今のところ、Linuxそのものを意識するのはIT技術者の層に限られますが、スマホに搭載されているAndroidや、Chromebookに搭載されているChrome OSも元はLinuxです。
またAndroidやChrome OSも、実はPCにインストールできる形式のものが配信されています。
AndroidタブレットやChromebookが気になるという方で、昔のネットブックを眠らせているのであれば、気軽に体験してみるチャンスです。
サーバーになる(※中・上級者向け)
これは先ほどお話ししたLinuxの知識が必要となりますが、簡易的なものであれば、余ったPCで個人的なサーバーを建てることもできます。
例えば、自宅の中だけで使用するファイルサーバー(NAS)としての利用や、個人的なWebサーバーとして使用することもできます。
但し、外部に公開する場合はセキュリティ面での配慮が必要となります。
ジャンクPCを選ぶ際の注意
ここでは、ジャンクPCの活用にチャレンジする際の前提知識について、少し触れておこうと思います。
交換を前提としておくべきハード3選
ジャンクとして売られている理由はまちまちですが、どんな状態のものにも、ほぼ共通してみられる特徴があります。
概ね、「ストレージ」「メモリ」「バッテリー」は交換や増設を前提とした方が良いでしょう。
特にノートPCを選ぶ場合、バッテリーは確実に寿命がきているものと考えましょう。
モバイル用途をしたいのであれば交換の必要がありますが、メーカー純正は高価な上に入手困難となっている場合も珍しくありません。
その場合には社外製の互換品を購入することとなりますが、品質などが左右されるので信頼できるところから取り寄せましょう。
ストレージに関しては、HDDという古い機構が使われていることも珍しくありません。
HDDは構造上、処理が遅い上に故障しやすい傾向にあります。そのため、ジャンクで売られていた場合は不良セクタと呼ばれる、劣化が始まっている部分があったりします。
なので、SSDへの換装を前提とした方が良いでしょう。
メモリも、Linux運用をするのであれば増設をしておくと良いでしょう。Linuxの種類にもよりますが、概ね2〜4GBあると良いと思います。
但し、あまりに古い機種ですと増設できる上限がそこまで無い場合もありますので、下調べをしておきましょう。
OSの調達もほぼ必須
ジャンクPCの再生にあたり、OSの調達もほぼ必須右項目と言えます。
大半の場合、ジャンクPCは個人情報保護の観点からHDDが完全フォーマットされた状態か、抜き取られて販売されています。
Windows PCとして再生したい場合はWindowsのライセンスを購入し、各種デバイスドライバをメーカーサイトなどからダウンロードするか、可能であればフリマアプリなどでリカバリディスクを別途調達することになります。
しかし、あまりお金をかけたく無い、またせっかくなので色々やってみたい場合にはLinuxがおすすめです。
Linuxは無償で提供されているものが殆どですので、ローコストで始められます。
元々は専門知識が必要なOSでしたが、最近はWindowsとほぼ同じように操作できるOSとなっています。
最初はスペックジャンクから
ひとくちに「ジャンクPC」といっても、その状態はまちまちです。
もともとのジャンクPCの意味を辿ると「使い物にならないくらい、致命的な故障をしたPC」となり、あくまで部品取りなどを前提としたものだったようです。
しかし最近ではその流通も盛んになり、物理的にはなんとか動作を保っている状態のジャンクPCというのも多くみられるようになりました。
それらは動作はするものの、性能的には現役が厳しいということで「スペックジャンク」と呼ばれたりします。
よくPC修理動画などでは、通電しなくなったPCを分解し、マザーボードのコンデンサ交換などにチャレンジされていますが、ああいった修理は高度な技術を要する場合が殆どです。
最初のうちは、ひとまず動作するものを工夫して活用するといった、ハードルの低いところから始めてみるのがいいでしょう。
初心者でもLinuxはできる?
ジャンクPC向けのOSとして挙げた、Linuxを入門する上での前提知識についてお話しします。
Linux入門の難易度は「やや簡単」
インストール作業を含めてですが、これからLinuxを始めることについての難易度は「やや簡単」と捉えておくと良いでしょう。
とはいえ、これはある程度PCを触ったことのある方を前提とします。
「業務のため、WordやExcelの使い方を勉強した」といった、何かしらPCの使い方をマスターした経験があれば大丈夫です。
Linuxを始めるにあたり、まずしなくてはならないのはジャンクPCへのLinuxのインストールとなります。
実はLinuxというのは色々な種類があります。「Linux」という名前のOSそのものがあるわけではありません。
なので、各Linuxを提供している団体などのWebサイトに行き、そこからダウンロードしたものをUSBメモリやDVDに焼き、インストールメディアを作ることとなります、
コマンドは「知らなくても良い」
Linuxといえば、コマンドで操作をするのが最大の特徴と言えます。
つまり、
- ls(フォルダの内容を一覧にする)
- cp(ファイルをコピーする)
- mv(ファイルを移動する)
…といった命令分を、ターミナルと呼ばれる入力面に延々と入力し、文字だけで操作をするというものです。
しかし、Linuxを「ただ使う」だけであれば、この知識は絶対必要ではありません。
コマンド操作をせずに、ネットを見たり、オフィスソフト(LibreOffice)を使用したりすることは可能です。
コマンド操作は知っておくと便利ですが、後で少し勉強しようくらいで良いでしょう。
初めてのLinuxならubuntuがおすすめ
Linuxにはいろんな種類があります。具体的には、
- ubuntu・・・家庭などでの、PCの一般利用を前提としたLinux
- Alma Linux・・・サーバー用途に特化したLinux
- Slackware・・・Linuxを研究するための、専門用途向けLinux
と、いろいろなバリエーションがあるのです。
これからLinuxを始めるのであれば、ubuntuがおすすめです。
ubuntuは他のLinuxに比べ、一般的なPC利用を意識した操作性やハードウェアへの対応など、活用しやすい構成となっています。
ubuntuは公式サイトからダウンロード可能となっており、2022年12月現在、最新の安定版バージョンは22.04 LTSとなっています。
まとめ
では、今回のまとめに入りましょう。
- ジャンクPCには学習用や個人用サーバーといった活用法がある
- ストレージ、メモリ、バッテリーの交換は必須
- OSはLinuxならお金はかからない
- 少しPCに慣れていれば、Linuxでも問題ない
ジャンクPCや引退したPCの活用は少し知識や工夫は必要なものの、決して極端にハードルの高いものではありません。
資源の有効活用はもちろんのこと、せっかくあるのに使わないPCがあれば、こうした事にチャレンジしてみても面白いかもしれません。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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